活力ある地域社会と人のふれあい
ともにいっしょに
 

 静岡県中部遠州地方の中心に位置する袋井市、北を見れば北遠の山々が連なり、冬には雪を抱く富士山や北アルプス前衛の山々を見ることが出来ます。山から流れ出た清流は太田川、原谷川に集まり、広々とした平野を潤しながら遠州灘へと注ぎます。私が議員になって思うことは、この豊かな自然つつまれたまちの姿です。
 私はいわゆる団塊世代で、高校卒業後は学校と仕事で殆ど地元にいることはありませんでした。しかし、故郷を離れて想ったことは、やはり郷土の好さ、懐かしさではなかったかと思います。
 私達のまちは、全国的に見て恵まれている環境にあると思います。東海道27番目の宿場町「東海道どまん中」といわれる東西交通の中心に位置し、多くの産業が生まれ人や物が行き交ってきました。また、田面(とうもん)という言葉があるように、広大な沖積平野からは豊かな農地が生まれ、人々の生活を支えてきました。
 しかしいま、少子高齢化、担い手の減少、産業の移転など、いろいろな課題に直面するようになっています。それは私達のまちだけの問題ではなく、一口に言えば、成熟社会といわれる日本の社会全体が突き当たっている課題といって良いのかもしれません。

地方自治、地域の時代へ

 これを解決する回答は、簡単ではないように思います。しかし、私はその進むべき方向が、一つには地域主権、住民参加にあるように思います。
 これまで、とかく国に任せておけば良い、といった考え方に黄信号が点りました。象徴的なのは、3.11東日本大震災であらわになった地域社会の姿です。これをきっかけに地方自治のあり方が根本から問い直されることになりました。
 私達の生活の身近なところでも、行政の画一的な手法で進む時代は終わったように思います。要望も多様化し、またこれらに全て応えられるほど行政側にも余裕がありません。こういった時に重要なのは、市民自らが市政に参加し、一体となって取り組むことの必要性です。

地域資源の見直しが大事

 二つ目は、地域の財産とも言うべき地域資産の見直しと活用です。
私達のまちには多くの企業があり、また大学があります。これらは、経済活動の拠点であると同時に、多くの知恵と技術が集積した場でもあります。農工商連携の試みや、産学官連携がそれぞれの地域の中で求められているように思います。
また、私達のまちには、神社仏閣をはじめ多くの歴史遺産が残されています。これを見直し検証していくことは、地域の魅力を全国に発信し、郷土への愛着と誇りの醸成につながっていくものと思います。

環境と安心を重視する社会へ

 三つ目は、改めて言うまでもなく、環境と安全に価値を見出す社会の形成です。
 3.11東日本大震災では、人間は自然の一部である、ということを改めて思い知らされたように思います。成熟社会では、限りある資源をいかに有効に使い、自然との共生社会を築いていくのか、効率や成長一辺倒の考え方を足元から見直すきっかけになりました。

 成熟社会の始まりは、地域の時代の始まりです。地域主権、地域資産、環境と安全、これら三つのテーマをそれぞれ深化させ、連携させることが、これからの社会に求められているように思います。
成熟社会とは、衰退に向かう社会ではないと思います。私達が本当の意味で豊かさを感じ、誇りと希望の持てる社会を実現することでなくてはなりません。そのためには、政治を遠く離れたものではなく、私達の身近なところにまで持ってこなくてはなりません。地域がリードし、むしろ地域が地方へ、更に全国に向かって発信する社会、そんな時代が既に始まっているように思います。
私は、そのような時代に、そのような社会の実現のため、皆様とともに歩んで行きたいと思います。